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セキュリティマガジン TREND PARK

「持ち込み可」「会社貸与」それとも「使用禁止」?

スマートデバイスをビジネスに活用するための課題とは


スマートフォンやタブレット端末が広く普及し、企業においても従業員がビジネス情報を取り扱う際にモバイル端末を活用する機会が増えてきています。デジタル情報をタイムリーに扱えるツールとして、スマートデバイスを活用することで生産性の向上や業務効率化などのさまざまなメリットが期待できます。一方で、ウイルスに感染したり、情報を流出させてしまったりするリスクがあるのも事実です。トレンドマイクロが実施した調査の結果から、スマートデバイスの業務利用における現状と課題をひもといていきましょう。

BYODの潮流は避けられない?スマートデバイスの業務利用の実態

トレンドマイクロは2012年6月、スマートフォンやタブレット端末のBYOD(Bring Your Own Device:個人所有端末の業務利用)に関するアンケート調査を実施しました。BYODは、社員が個人所有のスマートフォンやタブレット端末を会社に持ち込み、業務で利用することを指します。ここで言う業務利用とは、電子メールや業務上の文書を閲覧したり、業務システムへアクセスしたりすることを対象としており、単なる音声通話は除きます。

この調査では、日本国内で勤務する1548人(端末の導入に関する意思決定者510人、および端末を利用する一般社員1,038人)を対象に、ビジネスの現場におけるスマートデバイスの活用状況を質問しました。その結果からさまざまな傾向が浮かび上がってきました。

企業におけるスマートフォンやタブレット端末の活用状況を見ると、現在、個人が所有するスマートデバイスの利用を組織全体で認めている企業は18.8%にとどまっています。「一部の従業員に認めている」「試験導入中」「導入の是非を検討中」をあわせても半数に満たない のが現状です。企業からの貸与状況をみても、スマートデバイスを全従業員に貸与している企業は5.1%で、「一部の従業員に貸与している」「試験導入中」「貸与の是非を検討中」をあわせても38.7%にとどまりました 。この結果を見ると、スマートデバイスは業務に十分活用できるほど浸透してはおらず、導入はまだ過渡期にあると言えそうです。

図1:企業におけるスマートデバイス活用状況

Q.あなたの勤務先では、BYODは認められていますか?
※BYODとは、スマートフォン、タブレットPCなど個人所有の端末を業務利用することです。

組織全体で認められている 18.8% 一部の従業員に認められている 19.2% 試験導入中 3.4% 導入の是非を検討中 8.4% 認めていない 50.2%

Q.あなたの勤務先では、スマートフォンやタブレットPCなどの端末を従業員に貸与していますか?

組織全体に貸与している 5.1% 一部の従業員に貸与している 25.4% 試験導入中 3.2% 貸与の是非を検討中 5.0% 貸与していない 61.3%

個人の判断で持ち込まれ、利用される個人所有スマートデバイス

BYODを実際に取り入れている企業はまだ少ないとはいえ、コンシューマ市場で火がついたスマートデバイスをビジネスに持ち込む流れは無視できないところまできています。では、BYODの導入に際してはどのような課題があるのでしょうか?調査結果を詳細に見ていきましょう。

「あなたは個人所有のスマートデバイスを、業務のために利用したことがありますか?」という質問では、年に1回以下の頻度で利用する回答者も含めると、全体の53.1%が個人所有のスマートデバイスを業務で利用した経験がある と回答しています。企業として認めている・いないに関わらず、多くのユーザが個人所有のスマートデバイスを業務に利用している実態が明らかになりました。

図2:個人所有スマートデバイスの業務利用実態

Q.あなたは個人所有のスマートデバイス(スマートフォンやタブレットPC。ノートPC除く)を、業務のために利用したことがありますか?
※ここでの「利用」は、音声通話は除きます。電子メールや業務上の文書閲覧、業務システムへのアクセスなどです。

ほぼ毎日、業務のために利用する 21.6% 1週間に2~3回、業務で利用する 14.2% 1ヶ月に2~3回、業務で利用する 8.5% 1年に2~3回、業務で利用する 3.3% それ以下の頻度で利用する 5.5% 個人所有の端末は業務で利用しない 46.9%

一方で、「あなたの勤務先には、BYODに関するポリシーやルールがありますか?」という質問では、「ポリシーやルールはない」が31.2%、「ポリシーやルールがあるかどうか分からない」が27.7%と、約半数以上がポリシーやルールの存在を認識していない という結果になりました。企業においてBYODという新しいITの波に対する企業の対応が追い付いていないことがわかります。

さらに、個人所有のスマートデバイスを業務に利用したことがあるかどうかをポリシーの有無で分類して比較したところ、ポリシーやルールがない企業では62.7%、ポリシーやルールで禁止している企業でも54.8%がスマートデバイスを業務に利用したことがある と回答しており、たとえ禁止していても個人の端末を業務利用している実態が明らかになりました。BYODに関するポリシーやルールを策定済みの企業でも、一般社員への注意喚起を十分に実施できていない現状がうかがえます。

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記事公開日 : 2012.07.27

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