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セキュリティマガジン TREND PARK

ITの未来を予測し、脅威の一歩先を行く

~2020年のセキュリティを考える~


  ビジネスに対する影響についてはどのような予測をしていますか?

リック・ファーガソン

ファーガソン前述のウェアラブル端末が広く普及した暁には、ビジネス上のチャンスが広がるのではないでしょうか。
なぜなら、ユーザの消費行動を始めとするあらゆる行動が、常時インターネットに接続する環境下では、より活発化することが予想されるからです。そして、企業がこれらのユーザの行動を分析できる環境が整えば、各個人の年齢や住所、趣味、嗜好、過去のインターネット上での商品の購買履歴など、あらゆる情報に基づいて配信コンテンツや広告を与えることができ、効率的にユーザを購買行動へ結びつけることに成功しやすくなるでしょう。既に、SNS上の会話から顧客ニーズや顧客の感情をあぶり出す技術が実用化されています。
従来、さまざまな情報を幅広く人々に伝播してきたインターネットですが、今後はより個人に対してカスタマイズされた情報を届ける手段としての役割が大きくなるのではないでしょうか。

極端な例を示せば、 過去に居酒屋に行ったことがない人がいたとします。Google Glassをかけた人物が街を歩いていた場合、お酒を飲める場所に関連した情報は排除され、代わりに彼の趣味であるランニングのシューズが売られている店の情報ばかりが表示されるかもしれません。
こういった環境が整備されると、自分専用の一方的に授与される情報をひらすら鵜呑みにする、いわゆる「受動的な人間」が増えることで、人間が偶発的に新しい経験をする機会が奪われ、社会や生活を変えてしまう可能性があります。そして、サイバー犯罪者がユーザに与える情報を操作しさえすれば、ユーザを意のままに操作できてしまうかもしれません。サービス提供側は、より一層サービス自体のセキュリティを確保しなければなりません。

新たなセキュリティの課題に各組織が一丸となって取り組むことが必要

  将来的な技術や脅威の進化に備えるために、各組織にはどのような対策が必要ですか。

ファーガソンこれまで述べたように、新しい技術によって多くの恩恵を受けられるのは事実です。しかし、デメリットやリスクも十分考慮した上で、セキュリティのリスクを慎重に見極めることが求められます。
企業や政府への提言としては、アプリケーション開発上の問題に触れておく必要があります。近年、短納期や低コスト化への要求がこれまで以上に厳しくなっています。しかし、脆弱性や何らかの不具合に対して、後追いで修正してばかりのフローは好ましくありません。
また、公的機関においては、ユーザの個人情報がますますクラウド上で管理されるようになるでしょう。これにより、電気やガスなど、現在の社会インフラと同じように、通信機関がインフラとして重要な位置を占めるはずです。認証技術やアクセス制御、通信の暗号化など、ネットワーク・セキュリティの充実が欠かせなくなります。そして、悪意ある第三者に狙われにくいネットワークのセキュリティを確保することも重要です。トラフィックの盗聴やデータの改ざん、脆弱性を悪用した不正アクセスなど、さまざまな脅威を考慮し、十分な工数を割いてセキュリティを設計、実装することが求められます。

  将来の脅威に対してセキュリティベンダーが行うべき取り組みとは?

リック・ファーガソン

ファーガソンセキュリティ対策への考えを一方的に押しつけるのではなく、お客さまとの双方向のコミュニケーションを大切にし、実環境に合わせたセキュリティ提言を行うことが重要だと考えます。今流行する脅威への対策に取り組むだけでなく、実用化される前の技術に対しても、ユーザやサービス事業者と積極的に意見交換をすることで、将来の脅威にも備えをしていきます。
トレンドマイクロは、テクノロジーの進化に対応しながら、セキュリティという領域で社会に貢献してきました。仮想化・クラウドなどの最新のIT潮流にも、業界に先駆けて取り組むなど、テクノロジーの進化に尻込みすることなく、継続的なイノベーションを起こしてきたのです。この姿勢は今後も変わりません。

また、セキュリティに関連するノウハウやナレッジの共有、法整備については、競合他社も含めた業界が一丸となって取り組むべき課題と認識しています。セキュリティベンダーとして、今後も業界の発展と安全な社会に貢献する企業として歩んでいきます。

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記事公開日 : 2013.12.16

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