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セキュリティマガジン TREND PARK

クラウドセキュリティに関するグローバル調査からみえる現状と課題

想化技術を利用したサーバ統合がクラウド移行の契機


環境にとらわれることのない一貫したセキュリティの実装が不可欠

クラウドの基盤技術となる仮想化を切り口とした調査の結果も見ていきましょう。VDIの導入状況は、国内で28.5%、海外で34.4%とクラウドの導入率に比べると大きな差はありません。VDIを導入済みの企業は、セキュリティの改善やデスクトップ管理の標準化を達成すること、クラウド導入の足がかりにすることを主な目的としてプロジェクトを推進してきました。一方、VDIの導入を検討中の企業も導入済み企業と同様、セキュリティの改善やデスクトップ管理の標準化を達成することに加え、システム運用コストを低減することを主要なゴールに設定。この調査結果から、多くの企業がVDIの導入によってユーザに統一したデスクトップ環境を提供し、一貫した運用ポリシーを適用することでセキュリティを強化したいと考えていることが分かります。

とはいえ、VDIを利用するおよそ6割のユーザが、仮想デスクトップ環境にはより厳しいセキュリティ手段が必要ととらえています。

また、サーバリソースの有効利用や運用管理コストの削減がメリットとして語られるサーバ仮想化は国内と海外で導入率に大きな差はありません。その目的としては、セキュリティの改善や運用コストの削減などが上位に挙がっています。

さらに、サーバ仮想化を導入している企業と未導入の企業がクラウドやVDIを導入している割合から興味深い洞察を導くことができました。サーバ仮想化を運用中、実装中、試験的導入中の企業は、未導入の企業と比較してクラウドやVDIを運用中、実装中、試験的導入中の割合が約40%も高いことが明らかに。この結果から浮き彫りになるのは、サーバ仮想化がクラウドやVDIへの移行にあたって重要なステップになっていることです。

サーバ仮想化を導入している企業と未導入の企業の
クラウド、VDIの導入割合(国内)

「貴社は以下のステップのどの段階にありますか」の設問に対して、サーバ仮想化を利用中の企業は、回答者の53%が「パブリッククラウド」を選択し、51%が「プライベートクラウド」を選択し、63%が「VDI」を選択。サーバ仮想化を未導入の企業は、回答者の14%が「パブリッククラウド」を選択し、11%が「プライベートクラウド」を選択し、14%が「VDI」を選択(回答者数:利用中115名、未導入85名)

本調査により、現在今後、国内企業のIT投資インフラは仮想化が主流になりつつに向かうあり、今後はさらに導入が進むことが予想されます。そして仮想化技術の実装を、クラウド導入のきっかけにしたいという企業の意図も見て取れました。とはいえ、企業が仮想化やクラウドの導入にあたってセキュリティに懸念を抱いているのも事実です。

最近では企業や政府機関を対象にしたサイバー犯罪が急増し、ネットワークへの不正アクセスや個人情報の漏えいなどといったセキュリティインシデントが発生しています。常時稼働し、パブリックなクラウドインフラは攻撃を実行する敷居が低く、犯罪グループにとって魅力的なターゲットになり得ます。また、マルチテナントモデルのクラウドインフラへ攻撃を成功させると、同一サーバ上で稼働する複数の仮想マシンにも影響を与えられるという攻撃の効率性もあります。企業は今後、クラウドへの移行ステージの中で物理サーバ、仮想サーバ、プライベートクラウド、パブリッククラウドが混在する環境を運用していくことになるでしょう。その中で環境にとらわれることなく、一貫したセキュリティを実装することがますます強く求められます。

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記事公開日 : 2011.08.30

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