Skip to content

セキュリティマガジン TREND PARK

事業競争力を支える次世代の総合セキュリティカンファレンス
「Direction 2011」レポート


2011年7月27日、ザ・プリンスパークタワー東京(東京都港区)において「Direction 2011」が開催されました。Directionは昨年までトレンドマイクロが主催し、最新ソリューションや最先端のセキュリティ事例を発表する場でしたが、今回からヴイエムウェア株式会社、NRIセキュアテクノロジーズ株式会社、株式会社エヌ・ティ・ティ・ドコモ、トレンドマイクロ、株式会社三菱総合研究所、および株式会社ラックにて構成されるDirection実行委員会が主催する体制に移行。さまざまなIT企業やユーザ企業が参加しやすいオープンな総合セキュリティカンファレンスとして生まれ変わりました。Direction 2011では午前の4つの基調講演に続き、午後は6会場で合計27のセッションを展開。講演会場周辺に設けられた展示会場も盛況で、セッション講師が自ら参加者の質問に答える試みも好評でした。

仮想化、クラウドの流れが鮮明に

オープニングのステージには、Direction実行委員会の委員長を務める工学院大学 情報学部長 情報学部 教授 大木 榮二郎氏が登壇。大木氏は、「情報技術の急速な発達・普及によって、ビジネス環境は大きな変革期を迎えています。この中で各界における最先端の取り組みや成果を発表するDirection2011が、みなさまのセキュリティ課題の解決に資する有意義な時間になることを期待しています」と挨拶しました。

「クラウドによる情報革新」と題した最初の基調講演には、トレンドマイクロ 代表取締役社長 エバ・チェンが登場し、クラウドが本格的に普及する時代に求められるセキュリティについて説明しました。発表の冒頭でエバは、「情報を広く共有することを可能にした活版印刷技術は過去の最も偉大な発明の1つです。人類のナレッジ、知識を膨大に蓄積するクラウドはこれと同様、企業のICT基盤だけでなく、社会基盤そのものに大きなインパクトを与える技術として確立しています」と語りました。

企業がクラウドにかける期待は確かに大きくなっています。しかしながら、クラウド活用時の最大の懸念事項にセキュリティを挙げている企業が多いのも事実です。米調査会社のIDCは、クラウドに蓄積されるデータが肥大するに伴って未保護のデータ量も増加すると予想しています。マルチテナント環境でハードウェア、およびネットワークなどのリソース、アプリケーションを見ず知らずの他社と共有するクラウドの枠組みの中で、データの安全性を確保することは企業において最も重要なテーマです。

企業のインフラに目を向けると、ITリソース配分の最適化や消費電力を含めたコスト圧縮などをメッセージに市場を切り開く仮想化技術が注目されています。この技術によって、単一の物理サーバに1つのOSを搭載する従来のモデルではなく、1台の物理サーバ上で複数の仮想マシンを稼働させ、各仮想マシン上で独立したOSを実行するモデルが主流になりつつあります。そして、仮想化の発達は企業がクラウドを導入する大きな契機になっています。エバは、「こうした潮流の中で企業は今後、物理、仮想、クラウドの混在するIT環境を運用していくことになるでしょう。また、社内にサーバを一切持たず、Android™やiPhoneといったスマートフォンやiPadなどのモバイル端末からクラウド上のデータへアクセスするビジネススタイルも増えていくことが予想されます」と話しました。

データを保護するインサイド・アウトのアプローチが不可欠

クラウドやモバイル端末がビジネスシーンへ深く浸透し始めている中で、企業は金銭を目的としたサイバー犯罪者によってクラウド上を流れる情報を盗まれてしまうセキュリティ・リスクが常に伴うことを肝に銘じておかなくてはなりません。実際、ここ数カ月の間に大手企業による情報漏えいなどのセキュリティ・インシデントが相次いで発生しました。エバは、「グローバル化の進展やビジネスで利用するモバイル端末の普及によって企業のネットワークは拡張し続けています。クラウドやモバイル端末の導入によってネットワークが伸縮するエンタープライズIT環境を常に安全に保つためには、これまでのセキュリティに対する考え方を抜本的に変える必要があります」と話しました。

記事公開日 : 2011.08.16

ページの先頭へ