-IoT時代のセキュリティ、プライバシー※1に関する意識調査 2015- 8割がIoT時代のセキュリティを懸念

~約半数が過去5年でプライバシーや個人情報漏洩の懸念が増加~

2015年4月27日

トレンドマイクロ株式会社(本社:東京都渋谷区、代表取締役社長兼CEO:エバ・チェン、東証一部:4704 以下、トレンドマイクロ)は、個人ユーザ1,903名(米国:744名、日本:595名、欧州(16か国):564名)を対象に、IoT時代のセキュリティ、プライバシーに関する意識についてWebアンケート調査(実施時期:2014年12月)を実施しました。本調査において、全個人ユーザが何らかのスマートデバイスを利用中あるいは利用予定※2と回答する一方で、その8割がIoT時代のセキュリティを懸念していることがわかりました。IoT時代にはセキュリティの懸念を払しょくすることが重要と言えます。調査の概要は以下の通りです。


1.    全個人ユーザがスマートデバイスを利用中/予定がある一方で、8割がIoT時代のセキュリティを懸念

個人ユーザを取り巻くIT環境は、パソコン、スマートフォン、タブレットのみならず、ウェアラブル端末、インターネット家電、自動車など様々な機器がインターネットに繋がるIoT(Internet of Things)時代に突入しています。全個人ユーザがスマートテレビやスマートキッチン家電、スマート電力メーターといった何らかのスマートデバイスを利用中あるいは利用予定と回答しており、スマートフォン・タブレットを除いても95%が利用中あるいは今後利用予定と回答しています。今後一般社会におけるIoTの普及が更に加速することが予測される一方、全個人ユーザの8割(80%)がIoT時代のセキュリティを懸念していることが明らかになりました(図1)。国・地域別では、米国(75%)、欧州(82%)と比較して日本(83%)が最も高いことがわかりました。

●図1:IoT における自身のセキュリティ/プライバシーに関して、どの程度懸念がありますか? 単一回答[n=1,903] 
※  「非常に懸念がある」および「懸念がある」と回答した方の割合

※1 本調査では、「セキュリティ:個人情報を紛失や盗難から守るための防衛手段」「プライバシー:機微な情報や秘密の情報を本人の意思に反して第三者に知られない個人的権利」と定義しています。
※2 「スマートフォン、タブレット」「スマートテレビ」「スマートキッチン家電」「スマート電力メーター」「スマート温度調節器(エアコン)」「装着型フィットネスデバイス」「グーグルグラス」「スマートセキュリティシステム」の何れかを利用中/予定。 「スマートフォン、タブレット」を除いたスマートデバイスは、個人ユーザの95%(米国:90%、日本:97%、欧州:98%)が利用中/予定。

●図2:スマートデバイスの利用意向 [n=1,903]

●図3:スマートデバイスを現在利用中、あるいは利用を予定していますか?
※ 各々のデバイスの認知度で「よく知っている」もしくは「知っている」を選択した回答者への質問
※ 図3は、「図2:スマートデバイスの利用意向」の内訳です。

2.約半数が過去5年でプライバシーや個人情報漏洩の懸念が増加
過去 5 年間でプライバシーや個人情報の安全性に関してより懸念を抱くようになりましたかと尋ねたところ、個人ユーザの約半数(47%)が、懸念が増加したと回答しています(図4)
個人情報漏洩の懸念が増加した理由としては、「モバイルデバイスの利用(63%)」、「情報漏洩の被害を受けた(61%)」、「ソーシャルメディアの利用(53%)」と、モバイルデバイスやSNSの利用、実際の被害経験が原因の多くを占めました(図5)。日本は「モバイルデバイスの利用(69%)」や「ソーシャルメディアの利用(63%)」が大きな要因と言えます。米国は「情報漏洩の被害を受けた(73%)」が、欧州では「政府による監視に対する懸念(39%)」が他国と比べ多くの回答を集めました。米国は、クレジットカード情報の漏洩など個人情報漏洩が多発したこと、欧州は、「EUデータ保護指令」をはじめ、個人情報の取り扱いに関する規制が整備されていることなどが国・地域ごとに異なった傾向の要因だと推測されます。IoTの世界においては、身長、体重から位置情報、利用履歴など様々な個人情報がクラウド上に保存されます。また、近年はサイバー攻撃者による外部からの攻撃、内部犯による情報漏洩など様々なインシデントが起こっています。

●図4:過去 5 年間でプライバシーや個人情報の安全性に関してより懸念を抱くようになりましたか? 単一回答[n=1,903]

●図5:プライバシーや個人情報の安全性に関して、より懸念を抱くようになった理由はなんですか?複数回答[n=885] 
※ プライバシーや個人情報の安全性に関して、より懸念を抱くようになった方に対しての質問。

3. 自身の個人情報の価値は平均1,965円
自身の個人情報に関して、回答者の半数以上(56%)が、相手が信頼できる会社ならば金銭と交換に自分の個人情報を提供すると回答しました(図6)。また、金銭と交換するに当たっての自身の個人情報の価値は平均1,965円でした。もっとも価値が高いと回答者が評価した情報は、ID・パスワードで、平均7,584円でした(図7)。2016年から日本国内で本格導入がはじまる「マイナンバー制度」に類似する米国社会保障番号の価値は平均5,568円と米国の個人ユーザは回答しています。

●図6:相手が信頼できる会社ならば、金銭と交換に自分の個人情報を提供することに同意しますか?単一回答[n=1,903]

●図7:個人情報を入手するために信頼できる会社はいくら支払うべきだと思いますか?各情報の種類ごとに最低額をひとつお選びください。単一回答[n=1,078] 数字は全体の平均価格を示しています。
※ 健康保険などの社会保障番号は「米国の個人ユーザ」にのみ質問。1ドル=100円で算出。

IoTの世界においては、様々なデバイスがインターネットに接続されます。家庭内で管理するデバイスも増加するため、個人ユーザは、デバイス毎にセキュリティソフトをインストールするのはもちろんですが、デバイスが接続されるポイントで一括してセキュリティ対策を行うIoT時代にあったセキュリティ対策が有効です。また、個人情報を扱う企業や組織のセキュリティ対策が適切に施されているかを確認することをお勧めします。個人情報を扱う事業者においては、インフラの安全性を担保することに加え、個人情報の取り扱いの方針を策定し、それを利用者に開示することが求められます。

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